DS NEWS - DIGITALSTAGE MAILMAGAZINE [Number] 174 [Date] 2011.03.29
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東日本大地震に寄せて
デジタルステージ平野友康です。

はじめに、この度の東日本大地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、
被災された皆さま、そのご家族、ご友人に、心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧と、安全・健康をお祈り申し上げます。

また、デジタルステージには、特に被害が深刻だった青森から茨城にかけた地域に、
約5000名のユーザーの皆様がいらっしゃいます。
わたしたちデジタルステージは、そのひとりひとりの方々の無事を心から願うと共に、
これから先、わたしたちにできることを長期的な視点で考え、行動していくことを誓いたいと思います。


わたしたちに、できること。


今回の未曾有の出来事は、被災地はもちろんのこと、日本全体に大きな陰を落としています。
自然災害だけでは留まらず、原発事故と電力不足により、災害救助、復興、経済活動のすべてが滞っています。
わたしたちは、この先もっとたくさんの問題を抱え、そして解決していかなければなりません。

震災後、ある人が、ツイッターで呟きました。

「これで本当の意味の<戦後>が終わった。これから<震災後>を築いていかなければならない」。

僕はこの一言が、心に深く突き刺さりました。
そうか、求める求めないに関わらず、僕らは今、新しい時代が始まるまっただ中にいるんだ、と。
まだ震災は終わっていません。でも、そう遠くない日にこの震災から立ち上がる<復興>の時期がやってきます。

そのときに、じぶんが、どうありたいか。どういう暮らしを、していたいか。誰と?どこで?

自分の生活、家族、友人たち、仕事、地域、教育、保障、都市、エネルギー、経済の回し方。
幸いなことに生き残ったわたしたちは、この大きなタイミングで価値観を変えたり、
大切にするものを守り、捨てるものについて考えることができます。

つまり、それこそが、ライフスタイル・デザインです。
それこそが、これからの世の中で、自分自身と自分が大切に想う人たちと、
楽しく生きていける礎となるでしょう。


だから僕たちデジタルステージは、これからみなさんと一緒に、大きな2つのテーマに取り組んでいきたいと思っています。


ひとつは、「働き方」について。

同じ場所に集まり同じ時間に同じように行動する、それ以外の働き方を模索する良い時期かもしれません。
そもそも、誰もがぼんやりとは思っていた疑問=都市に集中している意味って、本当にあるのかな?
膨大なエネルギーを消費している今の社会の在り方、働き方を見つめ直していいんじゃないかな?

思えば、僕らはテクノロジーとコミュニケーションの会社です。だから僕らが実験台となって、
新しくって、「ああ、いいな、コレ」って、「あ、この働き方、憧れちゃうな」って思えるような、
ステキな<お仕事スタイル>をつくりだしてみたい。

それによって、社会全体のエネルギー消費量を『ちょうどいい』感じにできるはずです。
巨大なビルの中に、大量輸送で通勤して、膨大なエネルギーを使わなくてもいいかも知れない。
だから、そのために必要なノウハウは何か、メリットデメリットは何か、
必要なテクノロジーやソフトウェアは何か(なければ僕らがつくります)を考えていきたい。
伝えていきたい。みんなでシェアしていきたい。

僕らは、これからの時代の<お仕事スタイル>を模索して、みんなとそのノウハウを共有していきます。必要であれば、そのためのソフトウェアやサービスをつくっていきます。

もうひとつは、「学び合う」ということについて。

<震災後>の今、僕らが新しく知りたいこと、知っておくべきこと、学びたいことは激変しています。
今、全員が同じスタートラインに立っています。
言わば、小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまでが、「震災後・一年生」なのです。

だけど情報はバラバラで、とてもしっかりと学べる感じじゃないし、学校で教えてくれるわけでもない。
だとすれば、今必要なのは<学び合いの場>と、そのためのシステム、サービスです。
僕が去年から声高に叫んでいた「ソーシャルメディアの夜明けが来る!」という、
そのパワーはそこに注がれるものだと気づきました。

「先生」という立場の人が「生徒」に教えるというやり方だけではなく、
「詳しい人」が「詳しくない人」に教える場が、今まで身近にあったでしょうか。
今ならそれが、ソーシャルメディアでできるはずです。

今までは「教育」というジャンルに入らなかったようなことまでが、これからは「大切なこと」になる。

だから、誰もが誰かに教えることがあるし、誰もが誰かから学ぶことがある。だから、「学び合い」がとても大切になる。

それができれば、世の中がもっと良くなっていくと思う。

なぜなら、世の中を本当に変えていく力は、ひとりひとりの「気付き」だからです。
誰かから与えられるものじゃなくて、自分の力で掴んだものこそが、
世の中を良く変えていく力になると僕は信じます。

そういう、ソーシャルメディアの使い方。
マスメディアじゃできなかったことが、ソーシャルメディアならできる。
だから僕らはこの「学び合い」の場を、ソフトウェアとサービス、そして人の輪で構築していきたいと思っています。

みんな、学びたいですよね?僕は学びたいです。学んで、自分で考えて、自分の生き方を見直したいです。
エネルギーについて、経済について、農業について、科学について、建築について、そして考え方について。

僕らは、ソーシャルメディアを使った<学び合いの場>をつくっていきます。

・・・ということで、これからの僕らデジタルステージは、この2つのテーマに取り組んでいきます。
最初に述べたとおり、僕はこれを一時的な取り組みで終わらせたくありません。
だからこの2つのテーマのために、デジタルステージの活動、会社の在り方そのものをシフトしていこうと思います。

あ、もちろん、BiNDも続きます(むしろもっとがんばっていきます!)。
新しいソフトもどんどん出します(みんながびっくりするような面白いものを!)。
でもそれらのすべてが、新しい<お仕事スタイル>と、<学び合い>に繋がっているようにしてきたい。

なぜなら、僕らはもう、回り道をしたり、元の世の中に戻っている時間はないと思うからです。
今、この時期に、みんなと一緒に次の時代を考えていくこと。行動していくこと。
それって、簡単なことじゃないし、変化には勇気が必要だけど、
でも今踏み出さずして、いつ踏み出すんだい?、とも思います。

逆に言えば、<人生>と<お仕事>を、見直すことのできるチャンスが、一斉に与えられた今、
それを最大限に活かしていくことは、とても素敵なことだと思うのです。

デジタルステージのような小さな会社が勇気を出すだけで、その変化のための一助となれるなら、
それこそ全力でその方向に突き進んでもいいじゃん!と。


僕らに、今すぐできること。


デジタルステージでは、この長期計画のほかにも、
<今すぐできること>として、被災地への支援をはじめています。

スタッフが被災地に現地入りし、支援と調査を断続的に行なっています。
今日は、現地でより継続的な活動を続けられるように、バイオディーゼル車を購入しました。
今後、協力関係にある仲間たちとの支援活動を活発に行なっていきます。

こちらにその活動の一部のレポートがあります。
http://social-bridge.jp/311jishin.html

また、避難所にエンターテイメントを届けるための調査も行なっています。
例えば、被災地にUstream等を使って音楽を届けるプロジェクト。
他にも、現地で活動している中小のNGO、NPOを支援する募金プロジェクトなどを計画しています。

これらの活動の最新情報は、僕、平野の個人用のツイッターでお届けしています。
興味のある方は、改めてフォローをお願いします。よけいな呟きも多いですけど(^^;。

http://twitter.com/dsHirano


・・・さて、苦しくても新しい時代のはじまりです。

長い時間をかけて、しっかりと、おおきく、自分の生き方を変えていくこと。今すぐに必要としている人たちに、手を差し伸べること。

この2つの視点で、僕たちデジタルステージは、
新しい会社をゼロから始める気持ちで、取り組んでいきます。

先行きの見えない状況が続きますが、みなさん、お体をお大事に。
新しい時代を一緒に築けるということに、目を向けて。


  2011年3月
株式会社デジタルステージ 平野友康
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デジタルステージからユーザーのみなさまへ重要なお知らせ

【サポートセンターからのお知らせ】
被災で失ったライセンスやインストールに必要なディスクの再発行などにつきましては、個別にご相談を承っております。
詳しくはこちらをご覧ください。皆様の安全・健康と、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

【オンラインストアからのお知らせ】
商品の発送につきまして、一部震災の影響がございます。
ご利用のお客さまには大変なご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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