Syncmag
シンクマグ
: an editorial of Sync Project.
"The Shapes of Internet to Come." Selected Resources.
インターネットのカタチ 参考資料一覧
"Syncmag" Issue 001 2007 Autumn の特集 "The Shapes of Internet to Come. インターネットのカタチ" で
参考にした資料・書籍等の主なものをレビュー付き(一部リストのみ)で挙げてみました(基本的には『Syncmag』本誌からの転載です)。
ただ、雑誌とは違ってすぐに確認・購入ができるアマゾンへのリンクは付けました(せっかくインターネットなんですから)。
あと、いくつか、本誌では字数の関係で書ききれなかったことを追加しています。
リンクについて
リンクは書名部分(『 』の中の部分)に張られていて、Amazon アソシエイト・プログラムを使用しています。
ここで得られた紹介料は今後の資料購入等、編集費として使っていきますので、
もし興味のあるものがあれば、ここから購入していただけると嬉しいです。
『
インターネットヒストリー ー オープンソース革命の起源
』
ニール・ランダール 著 村井 純 監訳 田中 りゅう・村井 佳世子 訳 (オライリージャパン)
質の高いテクノロジー系の出版物で知られ、
'ウェブ2.0' の提唱者であるティム・オライリーが代表を務めるオライリーが 1999 年に出版した一冊。
インターネットの開発の中で大きな役割を果たした多くの関係者へのインタビューを中心に、
アメリカ人らしい視点でインターネットの成り立ちを過剰にドラマチックに演出することなく、イ
ンターネットの特徴であるオープンソース的なスタンスで描き出しています。
'神は細部に宿る' と言いますが、この手の書籍では触れられることの少ない' 細部' への、
当事者たちの言葉による言及はとても興味深いです。
『
Web の創成 — World Wide Web はいかにして生まれどこに向かうのか
』
ティム・バーナーズ=リー 著 高橋 徹 監訳 (毎日コミュニケーションズ)
WWW という 'ボブスレー' を思いついてから滑り出すまでの苦労、
そして滑り出してからの可能性から数々の懸案事項まで、生みの親が自ら記したウェブ誕生のハナシ。
ウェブ・ブラウザはエディタも兼ねるべきいう考えへの強いこだわりや W3C に込めた想い、
世界初の WWW のプラットフォームになった NEXTSTEP(スティーヴ・ジョブスが
アップル退社後につくったネクストの OS )への思い入れなど、
あまり見かけないエピソードが興味深く、技術だけではなく思想の面での
彼のインターネットへの功績の大きさを強く感じることができる一冊です。
『
インターネットの思想史
』 喜多 千草 著 (青土社)
いろいろなところで語られることの多いインターネットについて、
既存のソースに頼らずに自ら何度もアメリカに飛んで関連文献や資料を調べ、
関係者に独自にインタビューして構成されている労作。丹念に資料を調べ、
浮かんだ疑問はひとつずつ丁寧に整理していくという、地道な積み重ねの作業には頭が下がります。
特に ARPA の ITPO の責任者だった J・C・R・リックライダーのインタビューは読み応え十分です。
興味のある方は、同著者の続編的な著作『
起源のインターネット
』と併せて読むことをオススメします。
『
オープンソースワールド
』 川崎 和哉 著 (翔泳社)
ボクが以前、音楽関係の仕事をしてた頃に、著者の川崎さんに
'音楽ライターの川崎さん' として何度かお会いしことがあります(もう 10 年以上前のハナシですが)。
お互いに音楽のハナシと同じくらいマックやインターネットのハナシばかりしていたことを覚えています。
そんな川崎さんによるオープンソースの入門書は、コンピュータ専門家でも法律家でもない
川崎さんがその姿勢を貫いていることで、とてもわかりやすく、
同時に技術や法律だけでなく考え方や文化などの面にまで言及した内容の濃い一冊になっています。
『
Google 誕生 - ガレージで生まれたサーチ・モンスター
』
デビッド・ヴァイス / マーク・マルシード 著 田村 理香 訳 (イースト・プレス)
数多く出版されてるグーグル関連の書籍にいろいろと目を通してみた中で、
個人的に一番楽しく読めたのがこの一冊です。
技術的なことよりも時代の流れや出来事、考え方の面にフォーカスを当てた内容で、読み物として楽しめました。
特に、創設者のふたりがイスラエルを訪ねたときのエピソードや、そこでこどもたちに伝えた
「不可能と思えることには、できるだけ無視の姿勢で挑むこと」という言葉がとても好きです。