丸ゴシックなどはよく見かけますが、丸明朝というのは珍しいですね。
手書きだったときは、水平とか垂直を描くのがすごく難しかったのです。それがMacを使うと簡単にできて、太さも自由に変えられる。その分水平垂直っていうのは冷たくなりがちなんですが、そこを補うのにどうしようかと考えたときに、「丸」を使うのがいいと思いました。丸も手書きだとすごく大変だったのに、Macを使えば簡単にできるようになります。なるべく早く特徴的な書体を作るという面でも、今まで難しかった丸というエレメントを利用しようと考えました。丸明の仮名で参考にしたのは、初期の秀英明朝。神田の古本屋にぶらっと立ち寄ったときに、夏目漱石の「吾輩は猫である」の初版本の復刻版と出会って、「この書体、いいなあ」と感じました。