Webフォントとして世に送り出すにあたり、ウェブサイトで使われる書体についてどのようにお考えですか?
画面で見るということは逆光の中で見るということですから、若干文字が見にくくなったり、目が疲れると思います。その部分をカバーするにはどうすればいいのかということを考えています。明朝体は横の棒が細いので、もう少し太くすれば見やすくなりそうです。またバックの白がきついと目が疲れるので、微妙なトーンにするといいかもしれません。ちょっとした工夫をすることで、随分見やすくなると思いますね。
今回Webフォントに入るのは「丸明オールド」をはじめとする「丸明ファミリー」です。ファミリー展開というと、割と太さが違う書体が入っていると思うのですが、丸明は形が違うファミリー構成で非常にユニークですね。なぜ太さではなく形が違うファミリー構成にしたのでしょうか?
ファミリーの捉え方を少し変えてみました。バリエーションというと、何となくひとつのものの太さや幅が違うイメージがあります。でもファミリーは、もう少し性格的な差があってもいいのではないかと考えたのです。性格が違っても、家族は家族ですからね。今某フライドチキンショップの、新商品のタペストリーに丸明が使われてるのですが、アウトラインをギリギリまで太らせて使っているようです。そうやって、太さはアウトラインである程度カバーできると思います。それに対して、わざわざ太さでバリエーションを作るよりも、新しい書体を作ったほうがおもしろいと考えています。